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仮想机上の紙片溜まり

なにか書くよ 推敲はしないと思うよ たまに技術系の話をしたときは論拠に乏しくてかなり怪しいよ

屍姦について書きつつ疲れたのでやめたやつ

この文章は「ネクロフィリアと性的多様性と人権について」(http://necrolife.blog.fc2.com/blog-entry-67.html)に触発されて書かれています。
執筆者の娯楽を目的に書かれているため、性行為の在り方や正義などについて、何らかの主張をするものではありません。また、執筆者が屍姦を好むという事実はありません。

 

屍姦について語るに際して、まず所謂セックス(狭義社会常識的セックス)について整理したいと思います。現代社会における狭義社会常識的セックスは男女一人ずつの対が行い、男性器を女性器に挿入する双方向コミュニケーションです。このとき多くの場合、避妊が行われます。セックスにおいて避妊が行われる以上は、必ずしも男性器を女性器に挿入する必要はなさそうです。ここでセックスを性器を刺激する双方向コミュニケーションとして捉えることで、LGBTについては(僕にとって)セックスに含まれます。
「生中射精し以外はセックスではない」「孕まなければセックスではない」といったワードはエロ漫画では歓迎しますが、さすがに大真面目に言ってると過激派にすぎるのではないでしょうか。
ここでまず確かめておきますが、一般に屍姦は妊娠しません。

 

セックスの意味するところを、性器を刺激する双方向コミュニケーションまで拡張しました。次に、「双方向コミュニケーション」について考えたいと思います。「性器を刺激する」に関しては「愛撫をセックスに含むのか、性感帯は可変ではないのか」などの面白い話を含むとは思いますが、本稿の主題は屍姦なので深く言及しません。コミュニケーションに関わる人数を増やすことで3P4Pなどについても考えることができますが、屍姦ではコミュニケーションに関わる人数は減りますので、減る方向で考えましょう。
双方向などと簡単に書きましたが、もう少し砕いて、人間のコミュニケーションは不完全な情報交換であることを示します。コミュニケーションを行う主体としてAとBが居るとして、一般に双方向のコミュニケーションを行うには大きく分けて「AがBの意図を推定する」「AがBに意思伝達を試みる」「BがAの意図を推定する」「BがAに意思伝達を試みる」の4つが必要になります。この「意図を推定する」というのが厄介で、例えばBが実在しない人物であったとしても、何らかの意図を推定することができてしまいます。こうしてBが実在することなく、Aにとっては双方向に見えるコミュニケーションを行うことについては、「中国語の部屋」といった思考実験や、「人工無能」と呼ばれるAI(最近ではbotと呼ぶ方が伝わりやすい?)などが例として挙げられます。
中国語の部屋」「人工無能」ではBがAの意図を理解しない、Aにとってのコミュニケーションが行われますが、さらに「BがAに意思伝達を試みる」ことすら欠く場合を考えましょう。極端な例を挙げると、眠くて舟をこいでるだけのBを相手にして、相槌を打ってると思い込んでAがしゃべり続けるやつです。あるいは、Bが完全に台本通りに動いていて、Aはそれに対して反応しているものの実際にはBの行動に何ら影響していないなど。それでも「AがBの意図を推定する」ことはできてしまい、Aにとっては「双方向な」コミュニケーションに見えるわけです。相対する人物に本当に精神があるのかといった話題については「哲学的ゾンビ」が有名だと思います。「風が泣いている」「植物が怒っている」などのアニミズムもこういったコミュニケーションの例ではないでしょうか。
生きているAにとってBの死体への屍姦が「双方向なコミュニケーション」の場合は、こういったことが起こっていると考えられます。

 

さて、ここまで屍姦をセックスの方向から考えてきましたが、次はセックスでない方向、オナニーから考えていきたいと思います。オナニーという語はオナンが避妊のために膣外射精した事に由来しますが、ここでは所謂オナニー、一人でする性的刺激を指します。つまり、コミュニケーションでない性的刺激です。オナニーでは物を補助的に使用して性感を高めることがありますが、これに死体を使えば屍姦になるということです。

 

屍姦を行う者A、死体になった者Bについて、Aにとって死体が単なる道具であればこれはオナニーですが、Bへのコミュニケーションである場合、これはセックスともオナニーとも表現しがたく、いっそセックスは結果的にコミュニケーションになったオナニーであると表現してしまえば全てが丸く収まる気がします。

 

コミュニケーション以外にも、死体はBの所有物であったものの現在Bが存在せず、その所有権が誰にあるのかといった問題などなどありますが疲れたのでここでやめます。

おねショタ即興SF午前二時

鏡に映る僕は姉だ。その姉が口の端を震わせてこう言った。

「ねぇみやちゃん、弟がね?みやちゃんのこと好きなんだって」

僕はその唇が、舌が言葉を発するのを自覚し、また耳で確かに聞いた。けれど、僕はその一切を止めることはかなわず、口の端の震えが意味するところも知らなかった。姉の感じる全てを僕は感じて、それでも姉が嘲笑しているのか、怒っているのか、そもそも心があるのかすら分からない。今までこれほど姉の近くに居たことも、姉の気持ちを考えたことも無かったけれど、同じくらい、これほど姉の考えが分からないことも無かった。だから、その行為はただただ邪悪だった。

「えー?そんなん言われてもなー」

鏡越しに、みや姉ちゃんの困ったような半笑いを見た。困っていますよとアピールしつつも実際にはちっとも困っていなさそうな、記号化された半笑いを見た。僕はそんなもの見たくなかった。手が届かないのは知っていた。みや姉ちゃんはいつも半笑いで、他人にも自分にも本当は興味が無いんだって顔をしてたから。知っていたつもりだった。だけど、姉の身体ではないどこかが酷く痛んで、涙か、それに代わる何かを掻き出さないとどうにかなってしまいそうだった。今すぐそこの便器に吐きたい。見慣れない女子トイレだけど、もうどうでもよかった。隣の個室に入ったみや姉ちゃんにどきどきしてしまった自分を吐瀉物で覆い隠してしまいたい。そのまま下水に乗って胃酸の深海に沈んでしまいたい。

僕の意識は姉の身体を離れ、胃酸の深海に痛みを残して、過去へと流れ着いた。どうしてこんな事になったのか、僕はもう分かっていた。脆弱性は人によって運ばれるというのは、今も顧みられることのない古い格言だ。僕のパスワードは補助脳も含めてみや姉ちゃんの誕生日と僕の誕生日をくっつけたもので統一してあって、しかもバレないと思っていた。けれど、姉は僕をよく知っていた。僕は周りの人間を知ろうとしなかった。姉の見る風景も、みや姉ちゃんの半笑いも見ようとしなかった。そのくせ、みや姉ちゃんみたいに興味がないわけでもなかった。これは臆病で半端者の僕に対する罰なのかも知れない。罰であってほしかった。その方が少しは納得できるから。

いつの間にか姉のクラックから解放されて、僕は家の洗面所、鏡の前で立ち尽くしていた。涙は出ない。半笑いを浮かべてみると、みや姉ちゃんほどドライにはできなくて、その顔は姉によく似ていた。

鳥人間

狂気の航空力学と 冷たい湖底への片道切符

暗い炭坑より白い空へ 鳥は飛び立つ

栄冠は誰の手に

栄冠は誰の手に

 

切り立った湖岸には狂気があった。薄汚れた大勢の坑夫が、巻貝のような螺旋や、蝙蝠の翼のような帆を纏った珍妙な出立ちで、しかし眼だけは炯々と燃やしてじっと湖の向こうを見つめていた。湿った風が筋肉質な身体を撫ぜ、その後ろで落ち着かなげに往ったり来たりを繰り返す科学者や発明家達に砂を吹きつけた。風の届かない位置に陣取った貴族達は、これから始まる娯楽に浮き足立ち囁き交わすか、あるいは自らが出資する発明家に冷たい視線を据えていた。

やがて貴族のうちの一人が銃を持って進み出て、空砲を撃った。坑夫達は湖に向けて一斉に走りだした。湖岸から飛び出し、次々に水面へと落下していく。その中から滑り出した者があった。華奢で長大な羽を持つ自転車のような、一際歪な造形の中で、少年が恐怖に駆られたように、熱病に浮かされたようにもがいていた。関節の白く浮いた彼の手も、鶴嘴で擦り切れ、薄汚れ、本来ならば暗い炭坑の奥で一生を過ごす予定であったことを窺わせた。

数秒の後、湖面の上を飛んでいるのは彼だけになった。貴族達が息を呑んだ。科学者や、沈んでいく坑夫達も彼を見つめていた。炭坑を離れなかった彼の同僚達も、後で必ず耳にするだろう。それでも少しずつ近付いていく湖面に挑むように、祈るように、彼は叫んだ。

「俺は違う!お前達とは違うのだ!無為に生き、無為に死ぬお前達とは違うのだ!栄光を!栄光を!俺は、栄光の為に死んだ!」

湖岸では狂ったように笑い、大声で喚く男が居た。

「見よ、見よ、愚か者ども!私は間違ってなどいなかった!見えるか、飛んで行く彼の勇姿が!彼だけが私を信じていたのだ!彼だけが正しかった!嗚呼、聞こえるか、お前こそ我が友、お前こそ栄光の――」